昔はよかった・・・のか?
連日のようにパワハラ関連の新たなニュースが流れてきます。
それについて、昼のテレビではたくさんのコメンテーターや芸能人、弁護士などが意見を言っていますね。
それらの中で、どうにも私は違和感を覚えてしまう言葉があります。
それが「昔は良かったけど今のご時世では・・・・」というコメント。
特に我々世代の人たちがそれを言います。「俺たちは殴られたり、ひっぱたかれたりしながら育った。でも今はね…。」というような発言。これがどうもひっかるのです。
というのは、私は、自分にとって先生の立場の方から、1度だって殴られたりひっぱたかれたりしたことはなかったですし、そういうことがあってもいいなんて教育は受けたつもりがないからです。暴力はいけないものだとちゃんと教わっていたはずです。これを読まれていらっしゃる中高年の方々、あなたもそうではなかったですか?
昔はよかったがというが、良くはなかったでしょう?と聞きたい。
単に、俺たちはそれくらい苦労した、ということをひけらかしたいだけなのではないですか。
それだけなら、まだいい。実際には昔は俺も部下や後輩を殴ったり叩いたりして教えていた・・・から、それをいまさら後ろ指さされたくないのでは?。。。。図星かもしれませんね。
体操協会の例でも渦中の人物から次のようなコメントがありましたね。「30年前は確かにそういうことがあった。でも20年前からはやっていない。。。。」だったらいいんですか???30年前でもダメなものはダメでしょうが!!
別に私自身が聖人君子ヅラして何か言いたいわけじゃありません。ただ、昔は殴っても良かったとか、それが当たり前だった、などと言われると、お前はいつの時代の人間なのだ?と聞きたくなるくらい、違和感を覚えるのです。
私は学生時代陸上をやっていました。たまたま入学してお世話になった高校の陸上部が、なかなかの名門でして、当時、全国高校駅伝3年連続出場、高校総体県予選総合〇連覇(すみません、数字は覚えていません。)など、私立高校でもないのにすごい実績をあげていたのです。その監督が、まさに「名将」といえる先生でした。
当時まだ40歳を少し超えたくらいだったと思いますが、穏やかな物腰の中に鋭い眼光を持つ、なんとも言えない雰囲気のある方でした。
しかし、私はもちろん、他の選手に対しても怒鳴りつけたり殴ったりなどということは、ただの一度もありませんでした。自分のことばで、我々高校生を熱心に導いてくださいました。練習は確かにきつく、夏休み中、血尿が続いたこともありました。しかし、ちゃんとメニューをこなせた日の監督は、「さんぐう、今日は最後までついていけたな。」と当時中・長距離チームで一番タイムが遅かった私のこともちゃんと見ていて下さいました。
私がたまたまこのような素晴らしい先生に会えただけなのでしょうか。当時のほかの先生も、体罰など絶対にしていなかったと思います。許されてなどいなかったはずです。
話しを戻します。要するに、人を斬る資格のない人たちにしゃべらせないでほしいと思うのです。彼らにも良心というものがあるので、それがいいわけとなって、聞き手の違和感を生んでしまう。語らせるのに、無理があるのです。
そんなことを最近は毎日のように感じることとなり、決して快くはありません。
とにかく、昔だって良かったわけじゃない。「昔は良かったけど」は暴力に関してはNGだと思います。
放送する側もそこは手綱さばきをしっかりしてほしい。そのようにこの頃思っておる次第です。