完全正答率0.7%に挑む
大学入学共通テスト試行結果が発表され、話題を呼んでいます。
当塾は小学生・中学生対象の塾ではありますが、この大学入試の改革は高校生はもちろんのこと、中学生や小学生の今後にも大きく影響するものとして、非常に重要なことと捉えております。
2020年度から始まる「大学入学共通テスト」には、国語と数学に記述式問題が出される予定です。その試行テストが2017年11月に実施され、その採点結果が公表されました。
ある程度予想されたことなのでしょうが、記述式問題の正答率がやはり低く、数学に至っては約半数の受験生が無回答だったそうです。
表題で触れた完全正答率0.7%の問題とは、国語で出題された3問のうちの1問。
私も解いてみましたが、確かにこれは難しい!!
ある高校の生徒会執行部の面々と生徒会顧問の先生の会話文。そして、その会話のもととなる資料が4つ示され、それらを隈なく読みこみ、回答を120字以内で書くというもの。複数の資料を素早く理解し、何を解答せよと突きつけられているのか、短い時間で解き明かし、他人が読んでわかる文章で書き綴る・・・・。
昔の感覚で言うならば、国立大学の2次試験で課される記述式問題でもこのようなものはほとんどなかったと思います。高校の教室で教えてもらった知識を正面から問うてくる現在のセンター試験とは、まったく趣が異なります。作問者もさぞかし大変だろうと思いますが、こういう問題を制限時間内に正解していく力を、今後嫌がおうにも付けて行かなくてはならないわけです。
この入試がこの春高校生になった学年から始まることになります。あと3年です。
120字の記述というのは決して長くはありません。埼玉県の公立高校入試・国語では毎年225字以内の作文が出題されています。これに慣れている埼玉県勢はもしかしたら有利かもしれません。
しかし、字数が長くはないだけに的確に核心をついていく必要もあります。こんな練習どうやってやりますか。
受験に熱心な私立高校ならしっかり対応してくるでしょう。または塾、ないしは予備校に通い、受験対策として講座を取るしかないかもしれません。
私が注目している点の一つに、今も触れた「高校授業の変化」があります。学校での学習は受験のためにやっているのではないのが建前ではありますが、それを言ったらではなぜ大学入試を改革するのか、ということになってしまう。つまり、高校も当然変わることになるはずなのです。
この春中学3年生や2年生になる学年の人たちは、この大学入試改革に乗り遅れないためにも、しっかり対応してくれる高校を見極める必要があるでしょう。単に偏差値や通学の利便性で学校を選ぶのではなく、シラバス・カリキュラムに何か示されているのか、どういった授業改革を行っているのか、学校説明会でこのことに触れないような学校はまず望み薄と思ってください。
当塾でも現在中学生対象で、この思考力・判断力・表現力を付けて行くための講座を開くことを検討中です。普段から、学校の教科だけではない、いろいろな出来事や事件について考え、自分ならばどうするか、考えをまとめる練習をしていきましょう!