10センチ前の意味
小学校高学年ともなるとまだまだ子供・・・と思っていた我が子も自我が強くなり、家庭で宿題でも教えようものならケンカになる・・・そんなこと、よくあるのではないでしょうか。
「なぜ、わからない?こないだやったばかりじゃないか?」
「昨日も教えたぞ、この問題。。。」「何回もやったよなあ!!」
親はついつい畳みかけます。
そして、次の一言で終了!「もういい!パパには(ママには)絶対聞かないから!」
連ドラ放送中の「下剋上受験」では、一人娘の中学受験をパパが教えて合格に導くというストーリー。ここでも、上記の親の嘆きが出てきていました。「何回教えてもカオリは解けるようにならねぇんだよ。。。」父親のストレスが爆発します。「ごめんなさい、カオリ頑張るから・・・」と大粒の涙を流す娘。
とまあ、そんなやり取りがあったかどうかはわかりませんが、親が勉強を見てあげることに難しさを感じられ、当塾の門をたたかれたあるご家庭。およそ3か月ほど前のことでした。当時のお子様の算数の点数は30点くらい。このままではまずい!まさにそんなタイミングだったのではないかと思います。
お子様にもよりますが、算数や数学が不得意なお子様は、まず計算力があるのかどうかを見ます。四則混合どころか足し算や引き算すら怪しい場合もあります。この生徒の場合もそこのところをまず点検しました。
すると整数同士は大丈夫なものの、分数や小数が登場するとどうやらおかしくなることが判明。初めの1カ月はこれらを含め、誤解していたと思われる計算方法の矯正に時間をたっぷりかけました。
それがまずまずできるようになると、概念さえ分かればちゃんと正解が出るようになります。
この段階になって、忘れかけていた「できた!!」と頭の中で叫ぶ瞬間がようやく生まれます。
もう山は8合目まで来ました。今までは体力をつけていたと思えばいい。ここからは学校で習っている単元の内容をしっかり理解させることに十分時間が使えるようになります。この段階で、学校のカラーテストでは90点を取ってくるようになりました。
そして、つい先日のこと。塾に来て机の上に出した学校のテスト。気のせいかいつもより私の方に置かれています。先に宿題をチェックしてから、テストを「どれどれ・・・?」と手に。
「おっ、100点??」と生徒の方に目をやると、平静を装ってはいますがうれしさを隠し切れない様子。。。「初めて算数で100点取った。」とのこと。
私もうれしさと驚きを必死に抑えながら「じゃあ、今日は・・・」と授業をいつも通りはじめはしましたが、「いつもよりテストを前に出しておいたのは、早く見てほしかったからなんだね。」と内心納得していました。
授業後「100点良かったね。これからは全部100点でね!」と励まし半分、プレッシャー半分の声掛けを。。
「ええ?これから全部ですか?」
「できるよ。もう取り方わかったでしょ?」