あなたもストロング

あなたもストロング

さいたま市北区 個別指導塾ウェイクアップの三宮です。今日は高校駅伝の感想を。

 

毎年12月第4日曜日だと思うが、京都にて行われる全国高校駅伝。毎年楽しみにしているスポーツの一つだ。

名門校の復活もあれば、凋落もあるし、初出場校の活躍もある。いろいろな見どころがある中で、将来の陸上界を担うであろう逸材を見る機会でもある。特に「花の1区」と言われる最長区間には、各校のエースがそろい、激しく区間賞を争う。一切ごまかしようのない、ヨーイドンのレースがじっくり見られる。男子は10㌔なので約30分、女子は7㌔で20分弱の攻防になる。

トラック競技と違い、選手を正面から見られるので表情の変化が楽しめる。レースが後半になったころ、区間賞はたぶんこの選手!と占うが大抵はずれる。それがまた面白いのである。この区間には限らないが、毎年数名、これは…と思わせてくれる選手がいるものだ。

 

今年、平成最後の大会となった大会であったが、女子で注目された学校の一つに「大分東明」という学校があった。同校は昨年も男女ともに大分県の代表として出場し、男子が4位に入り、注目された学校である。

今年は、女子が4位と好成績を残した。
好成績の原動力は、留学生である。要するに助っ人の外国人がいるのだが、これがめちゃくちゃ速いのだ。
4位になった同校だが、留学生は最終区である5区(5キロ)を走って、なんと8人抜き。12位でタスキを受け取り、4位まで駆け上がったわけだ。

 

 

NHKの放送中にこの大分東明の試合後の様子が伝えられていた。1区を走った選手がこの留学生の大活躍に「ありがとう!」と言ったら、この留学生が「あなたもストロング(あなたも強かったわよ)」と言い、お互いをねぎらっていたと。

その場を見ていたわけではないが、駅伝という競技の良さを語っているいい話だなと思った。

駅伝という競技は、チームとはいえ、出場選手は戦う時は一人で戦う競技であり、だれがどういうタイムで走ったか、誰が何人抜いたのか、抜かれたのか、すべてあとでわかってしまう競技。うまく走れた時はいいが、思うように走れず順位を下げた選手は、仮にチームが上位であってもなかなか素直には喜べないものなのだ。

今回、大分東明の1区の選手は、全体の14位でタスキを渡した。これを良かったとみるのか、ダメだったとみるのか、判断は分かれるだろう。しかし、ありがとう、という言葉には、外国人留学生への感謝の気持ちがあったに違いない。8人も抜いてくれたのだから、そういう気持ちが湧いて何の不思議もないだろう。

 

それに対して、「何とか走ることが出来た。」「(自分の)役目は果たせた。」「今日は調子が良かった。」
まず、こういう返事が普通ではないか。

しかし、この留学生は自分のことではなく、話しかけてきた相手を思いやっている。
先ほども書いたが、駅伝選手は常に自分はチームにとってプラスだったのか、マイナスだったのか、それを気にしているものだ。この選手はその気持ちが分かっている。日本人でもないのに、日本で生まれたと言われるこの駅伝という競技を実によくわかっている。そうでなければ、他の選手を思いやることなどできまい。

 

大分東明高校の「マータ・モカヤ」という選手。高校卒業後も日本に残ってくれるのかわからないが、私は注目していきたい。強いだけでない、他者を思いやれる選手としてこれからも周りに良い影響を与えていってほしい。
留学生を数年前から受け入れたことによって、大分東明の選手たち、競技への姿勢が変わったと聞く。
強い選手に大いに刺激を受けることはもちろんだが、こういった機微にも触れ、さらに学んでいってほしい。

一視聴者でしかない私だが、「あなたもストロング」にいたく感動した。

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