孟母断機
四字熟語。国語のテストで避けて通れない基礎知識の一つですね。
私は漢字検定を長く受験していたこともあり、漢検でも必ず出題されている四字熟語はそれなりに勉強してきたつもりです。故事成語も含め、漢検四字熟語辞典には4000に上る四字熟語が掲載されています。
含蓄のある言葉が多く、知るとためになります。小中高生でなくとも勉強されることをお薦めします。
先週から教室前のブラックボードに書いているのが「孟母断機」。
孟子は中国の儒学者で、いわゆる「性善説」を唱えたことでも有名です。紀元前4世紀の生まれとされ、時の中国は戦国時代でした。
そんな孟子が学業の旅に出たものの道半ばで家に戻ってきました。その時、孟子の母(孟母)は家にいて機(はた)で織物を織っていたそうです。学問を途中で投げ出して帰ってきた息子に、機糸を切って「お前が学問を途中で辞めるのは、この織物の糸を断ち切るのと同じことだ!」と言って戒めたというのが、このお話です。
いやー、ずいぶんおっかねー母ちゃんですね(笑)!
しかし、この一喝を経て、孟子は再度勉学に打ち込むようになったとされています。
親と子の関係性はさまざまであり、どれがベストというものはないと思います。それぞれが我が子を愛し、我が子に期待していらっしゃる。それでよいと思いますが、私がこどものころと明らかに違っていることがひとつあります。それは・・・・
近所の目、周りの目がなくなってしまったということです。
こどものころ、何人かでいたずらをしたり、度が過ぎた遊びをしたりしていると、「コラー、そこのガキ!」とどこから見ていたのか必ず怒られました。良い意味で周りの監視が効いていましたし、地域全体で子育てをしていたような雰囲気もあったと思います。
でも、今は仮にそういう子供を見たとしても、その場で叱りつける人がどれだけいるでしょうか。他者に寛容というのとは違います。無関心がはびこっているように思います。
私が言いたいことは「子にとっては、最初も最後も結局は親」ということ。二児の親としてここは忘れぬようにと時々思い出すのが、この故事なのです。子供の背中を押すのも、連れ戻すのも親の役目ですね。
孟子の母親については「孟母三遷」というのもあります。ご興味の節は調べてみてはいかがでしょうか。